もりやま総合心療病院にて

すべての人に星空を。

10月31日、愛知県名古屋市守山区にある八誠会もりやま総合心療病院の文化祭にお伺いしました。星つむぎの村スタッフは、高橋、跡部、永友、森山、山本、黒井です。7mドームで7回投影。永友は、この病院に勤める看護師でもあり、今回の病院プラネを呼んだ村人です。永友真奈美がレポートします。

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昨年の12月名大病院のプラネタリウムに初めて参加させていただいた時、ぜひ私が勤務する病院の患者様たちにも星空を見てもらいたいと強く感じ、年明けて2月に真理子さんに連絡、快諾していただき皆さまのおかげで当日を迎えることが出来ました。

もりやま総合心療病院は単科の精神科病院で、入院患者様は450名ほど、その他デイケアやOTに通っている患者様も多数みえます。入院中は星空を眺めることがむずかしく、また入院をしていなくても星を眺める気持ちの余裕をしばらく持てずにいる方たちもいます。その方たちにぜひ星空を届けたい、何気なく星空を見上げていた頃の自分を思い出してほしい、と今回の文化祭の中で企画してきました。

病院にプラネタリウムが来るってどういうこと?事前に各病棟にお知らせはしていましたが一体どうやるのだろうと、患者様もスタッフたちもなかなか想像できなかったと思います。準備中ぐんぐん膨らむ7mドームに病院スタッフは驚き、よくわからないまま体育館に誘導されてきた患者様たちは見慣れた体育館に突如出現したドームを見て、何が始まるんだろうと期待する半面ややこわばった表情をしていたと思います。

 

第1回目の上映は、私が勤務する病棟の患者様たちに見ていただきました。年齢層は30代から90代と幅広く、長期にわたって入院している患者様が多い病棟です。車いすの方も数名おられますが、ほとんど寝転んで天井を見上げることが出来る方たち30名近くが参加されました。病室からなかなか出ることが出来ない患者様も「星が好き」ということでまさにおそるおそる、車いすに座って不安そうに参加してくれていました。

 

はじめに星つむぎの村の話を聞いて、順番にドームの中へ。上映がはじまり小さな星が見えてくると、指をさしてあそこに見えると喜ぶ患者様。それが天井いっぱいの星空に変わったときの歓声、笑顔はとても輝いていました。ゆっくりと動く星座をじっと見つめ、自分の星座を見つけた時の拍手、手が届きそうな場所からみる見る星、そのあとスピードをあげてどんどん宇宙へ進んでいく高揚感。そういった心をゆさぶる感覚はしばらく感じたことがなかったのではないかと思います。

上映中ドームの中を見渡すと、みな体が触れ合うほど近くに寝そべり星空を見上げています。それぞれの中にはこれまで経験してきた様々な人生があって、でも星の下では患者様も病院スタッフもだれもがみんな同じだということを頭ではなく実感として感じてもらえたのではないかと思います。

その後の6回の上映も、皆さんドームに入る前と星空を眺めたあとの表情はずいぶん違っていました。「星がきれいだった」「感動しました」「ナレーションが良かったです」「科学館より良かった」「また来年もきてほしい」など様々な感想をいただきました。

後日院内で出会う多くの患者様から「ありがとう」の言葉をたくさんいただき、またスタッフからは星つむぎの村の活動に興味を持った、などさまざまな声を聴くことが出来ました。当院の患者様、スタッフのこころの中に、一緒に見上げた星空はしっかりと残っていくと思います。

 

約1年前に星つむぎの村、病院プラネと出会い、感動し、そして今回私がずっと関わってきた病院の皆さんにもその感動を伝えることが出来、本当にうれしく思っています。いつかまた、名古屋のもりやま総合心療病院のみなさんに星空を届けにきていただけたら嬉しいと思っています。その時はまたよろしくお願いいたします。ありがとうございました。