刀根山病院にて

すべての人に星空を。

 3月13日、大阪府豊中市にある刀根山病院にお伺いしました。昨年からオファーを頂いており、ようやく実現しました。 今日の星つむぎの村スタッフは、高橋、跡部、倉知、見里、河村です。レポートは河村です。

 今日は2回の天井投影です。 多目的ルームは、医療機器のついたベッドのままでも数台が余裕で入るような広い部屋です。 会場に降りて観に来られない方々の為に、病院スタッフの方が、病室で投影を生中継する準備もすでに整えられておられました。 昨年の母の日に、お母様を亡くされたという女性は、ずっと真理子さんに、めったに外に出ることができないということをお話をされていました。
今回は、小さなお子様ではなく、大人の利用者様が星空を観に来られました。 満天の星になった時、とても静かな、小さな小さな歓声が聞こえたのと同時に、確実に空気がふわっと動いたのを感じました。 ある利用者様は「いつも病室の天井を見ながら、この天井の上に広がる星空、宇宙を想像していた。だから今日のプラネタリウムをとても楽しみにしていた」そうです。 そして、想像していたのとどうだったかと村スタッフが聞いてみたら、なんと想像どおりだったそうです!すごいですね☆  また1回目の投影が始まる前に、利用者さんと話をしていたら、「オーロラが見たい」というリクエストがあったので、その回は特別にオーロラが登場しました。その後その方に感想をきいたら「赤いのがよかったな」だそうです(笑)。
1回目を観ておられた車椅子の女性は、どうしても高橋真理子さんにお礼を伝えたいと、2回目の投影終了後に真理子さんへのラブレターを手に持って再び会場にやって来られました。 「本当に良かった。20年病院にいる。こうして病院で観られて良かった。」とても嬉しそうに、幸せそうな目で明るく話をされている姿を見ると、本当に良かったなと私も温かい気持ちになりました。  「宇宙の果て」から「私たちの地球」へ帰る時、ベッドに寝たままの女性が少し声をあげました。付き添いのお母様が「怖い?」と聞いていたので少し心配になりましたが、投影終了後に女性が部屋を出る時に、病室へ戻りたくない、もっとここに居たい、という意思表示をされているようでした。病院スタッフの方々に優しく口説かれながら帰られるのを見ていると、何か少し切なくなりましたが、病室にいても、どうか心の中に今日見た満天の星空と、宇宙の広がりに、思いを馳せていただけますように。 ベッドに付き添われるお母様方の後ろ姿には、長い間の毎日の心労やご苦労がうかがえるようでした。でもほんのひと時でも安らぎの時間となったのであれば嬉しいです。
病院スタッフの方は、病室のベッドから動けない方のために何とか星空を見せてあげたいと、自らも試行錯誤されておられる様子もうかがえました。 この刀根山病院で、この日、この同じ時間に皆さんと一緒に星空を見上げることが出来たこと、スタッフの私も感謝しております。 ありがとうございました。

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