神奈川病院にて

すべての人に星空を。

6月6日、「病院がプラネタリウム」で国立病院機構 神奈川病院にお届けしてきました。
プレイルームでの天井投影を3回。
野田、水野、黒井の三人でお伺いしました。
報告は黒井です。
神奈川病院の最寄りの駅秦野。
丹沢山脈の麓。登山をするハイカーさんがたくさんいました。
小高い山の上の病院は街の明かりがなく、きっと夜は星が綺麗に見える事でしょう。
 
「48年前に設立された病院ですが、プラネタリウムを行うのは初めてです。設立当時から入所している方が数名いらっしゃるので、おそらく…。48年間星を見たことがないと思います。」
そう教えてくださった。
「48年間 一度も星を見ていない方がいる」
年中行事にしてくれている国立病院機構千葉東病院でお世話になった
療育指導室長さんが転勤となり、こちらに来て声をかけて下さって、今日がある。
長期の利用者様、病院スタッフにも見せてあげたいと、言ってくださった。
きっと好きなはず、寝ているかも、怖がるかも、嫌がるかも、興味ないかも、凄く喜ぶかも、わからない。
うん?でも、とにかく体験してほしいと思った。
 
解説のさちよさんは、宇宙から見れば私たちの行いなんて小さなできごとなんだろう、でも、この地上に生まれて、0から1になったことは凄いことだと。
そして、さらに宇宙のはじまりは小さな揺らぎから始まったと語る。
ホールに集まった利用者さま、保護者さま、ご家族さま50人づつ2回、約100人の皆さんに見ていただいた。
どうしても移動の関係で長くお待たせしてしまったが、終わった時のお顔には
笑顔や緊張のゆるんだ顔がそこにはあった。

「小さな揺らぎ」
昔は障害を持った方、家族はひっそりと、目立たないように、迷惑をかけないように…。そんな価値観があったのかもしれない。
星空を48年見たことがない方がいた。
今まで知らなかった「小さな揺らぎ」を知ったことで、今日ここで、皆様とお会いできたことが更に嬉しく、奇跡に思えた。
 
そして、もうひとつリクエストいただいたことは、
昭和46年10月1日、神奈川病院重心病棟開設の日の星空を投影してほしいとの事だった。
病院スタッフが、昼休みを利用してきてくださった。
なんと院長先生も!!
プラネタリウムで見る宇宙に、興味を持って下さったこと。
あの日の空を見ている皆様が、それぞれの人を想っているのがわかった。
なんだか、私たちのの存在が大きいんだか小さいのかよくわからなくなるくらい揺さぶられ感激して涙が流れた(暗いからバレてないだろう…)。

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それも、これも、
行事担当の保育士さんが何度も連絡をくださり、準備をし、最大限ホールに漆黒の闇を作って、星の光が見事に射し込んだおかげでより迫力があった。
ありがとうございました。
神奈川病院を後にして深呼吸をした。
さて、また星を見上げましょうね。