このサイトの活動報告では、「病院がプラネタリウム」以外で「星つむぎの村」としてやったイベントやキャリングプラネタリウムとして呼ばれたイベントなどをレポートしていますが、なかなかいつもレポートがおいついておりません。。10月もたくさんあったのですが・・。

とりあえず10月23日、愛知県・大府市でおこなわれた「みんなでプラネタリウム」の様子です。
大府の10数人の実行委員で準備されたこの日は、7mドーム投影を14回。
1回目 特別支援学級の子どもたち
2回目 小学校4年生の子どもたち
3~5回目 精神病棟のみなさん
6~14回目 一般むけ投影(前日に整理券配布で満席)
でした。
下記は、参加した村人「ペコちゃん」のレポートです。


【小さな隙間からの宇宙】
2018/10/23 大府みんながプラネタリウムとうとうその日がきた。 真理子さん跡部さんは山梨から車で! 私は横浜より前日入りさせてもらった。 朝、大府市役所へむかった。 実行委員長の松下直美さんが話してくださった 日の当たらないところへ光を当てたい。 なんて凄いことを当たり前にやるんだろう… もう、ただただ頭が下がる思いでした。 実行委員の皆様の 瞳のあたたかさ、等身大の生活の中で分かち合うように寄り添うことをしている事を始まりから終わりまで感じていた。今でも大府の日々を思い出すと胸の奥にじんわりと温かいものを感じる。 そんな私の大府でのエピソードをちょっと長いけどシェアさせてください。

星つむぎの村の村人である私たちは、「星を一緒に見ることの大切さ」を知っている。おおぶの実行委員さんたちは、すでにそれぞれ、その大切さをしっかり持っていた。私は、 星を見て心を動かしている人と共にいようと思っている。 プラネタリウムを見上げる前の緊張や不安や期待と共に見上げた後の誰かに何かを伝えたい気持ち、言葉にならない込み上げてくる気持ち、高揚感そんな表情をドームから出てきたときに、寄り添えたらいいなぁと思った。

全14回の初回は大府市の特別支援学級の生徒さんたち 刺激には過敏に反応があるため、先生に始まる前に下見にドームに、入っていただいて確認をしてもらった。 もしかしたら、暗闇と大きい音が苦手な子がいると聞いた。 実際にドームの中へ「いってらっしゃい!」と案内すると、 一人の男の子が、最後の1人となり先生と一緒に動けないでいた。ドームの中に入るのは厳しいと判断。 校長先生が「一緒にいますよ。」とおっしゃり担任の先生はドームの中へ 残された男の子と校長先生、それから私。男の子の気持ちに寄り添おうとしたり、見てほしいと願ったり… こうやったら見れるかな……と ドームの入口に出来ていた 小さな隙間からドームの中を見たり…… その隙間から覗いた宇宙は 本当に美しかった。 校長先生見てください! 凄いです! どれどれ……と校長先生が入口に寝転がる 「おおお!これは凄い!」 そんなやり取りを何度か繰り返し、 とうとうその男の子が、 ちらりと覗く姿勢になり、 ドームの小さな隙間から、宇宙を見た! 「よし!」 小さなガッツポーズ! 見れたのだ! 力を振り絞り見た! 勇気が必要だったよね。 新しいことにチャレンジすることの緊張感……怖さ……不安…… 彼は一度見たらもうドームへは近づかなかった。

小さな隙間からの宇宙…… 彼が感じたもの受け取ったものは 彼だけのもの それで、いい それが始まり
君は希望 君は君を生きる希望
生きるちからは ほんの少しの勇気がつれてくる……
戸沢暢美(とざわまさみ)さんの詩が頭の中を駆け巡る…… 本当に幸せなひとときだった。彼から力をいただいた。 その時はすごく夢中でやっていたから、後からみんなでプラネタリウムの実行委員長松下直美さんが、涙ぐみながら見ていたこと、そーっと温かくそのやり取りを見守っていた人が何人もいたことを終わってから知った。 結局そうやって、私たちは支え合ってあの温かい場所を創ったんだと思う。

森山守さんがつなぐ人フォーラムで、プラネタリウムを見て大府に持ち帰り0から1を作り上げたこのイベント。 その情熱は本当に素晴らしい。 巡り巡って与えてくれたその温かさが、森山さんへと帰還しますようにと祈らずにはいられない。 愛はいくら注いでも枯れないと思っていたけど、 森山さん!愛って感染するんですね! 大府市民は9万人そのうちの630人が平日のど真ん中プラネタリウムを見た!!なんて事だろう…… 赤ちゃんからお年寄りまで、 病気だったり、障害だったり、 職業も片寄りなくバラバラ… 共通していたのは、星を届けたいと願った方が集まったと言うことだった。 実行委員さんたちには届けたい相手がいて、 届けたい相手のためだったら、101%以上のの力が出せちゃったんだな。 そのもっともっとの力で来年を支えてる。 みんなの心が喜んでいた。そして、喜びに溢れていた。 必ずまた星を見上げましょうね。