10月10日(木)、「地域で一緒に暮らそう会」のみなさんがコーディネートしてくださった3日間の最終日は、音更町福祉センターをお借りして、音更町内の幼稚園や認定こども園の子どもたち、そして今日も「てぃくたく」の子どもたちも。
 星つむぎの村メンバーは、高橋、跡部、そして、札幌から谷口ことニッチ。投影チャレンジしたニッチがレポートします。
 あらためて、今回およびくださった「地域で一緒に暮らそう会」さん、ご支援くださった太陽財団さん、大変お世話になりました。

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出た!真理子さんの、「ニッチ、やってみる?」

解説をやることにはなっていたものの、なんと1回目から任されてしまった。
お話だけは先月の甲府病院でデビューしたとはいえ、操作もお話も一人でする本番は初めて。でも真理子さんが横で見守ってくれていた。

緊張しながら、でも会えてうれしいよ、宇宙は楽しいよという思いを込めて話し始めた。最初のお客さんは子ども発達支援センターてぃくたくに通う二人のこどもさんと先生たち。
「春夏秋冬、どの季節でしょう?」
問いかけると、あ、何か聞こえる!
「……」
聞こえるのに、聞こえるのに……聞きとれない。
もどかしさを感じる。
でも、それぞれのお誕生日のお星さまをみんなで見ることができた

2回目の投影は真理子さんが。今度は30人の地域の幼稚園生達。
実にたくさんおしゃべりする。
ころころ転がる言葉のびーだまを、拾いつ受け流しつの様は流石で、こども達の目は地上の星みたいだろうなと想像する。

そして迎えた午前最後の投影、解説をまたも担当。
年少から年長の幼稚園生たち! なんて素直な感性なんだろう。

天の川銀河を見て「にじ!!」
星の海を通り抜けるとき雨だ雨だと口々に。
七夕の伝説に出てくる女の人を「おひなさま!」と言ってくれたときには、少し笑ってしまったけれど。

宇宙から地球を見て「みんなのお父さんお母さんも、お友達も、先生もみんなここで生きている」と話したとき、ある子が「むかしきょうりゅうもいきていた!」と。
「そうだね、恐竜も生きていた」
「よくりゅうも!」
別の場所からも声が飛んできた。
プラネを出たあとも、恐竜のお話をしてくれた。

今回企画された地域で一緒に暮らそう会さんは、運営している施設だけでなく地域の幼稚園生にも星空をプレゼントする!との想いがあったそう。

終わってみれば6回中4回投影を担当し、地域のこどもたち約70人と一緒に宇宙を旅したことになる。素直な感性の彼らとのひとときは心からの歓びだ。

今はまだ課題だらけの解説、共に見あげるだけでいっぱいいっぱいだけれども、
あなたは奇跡だよ。
会えてうれしいよ。
伝えたい想いだけは持っている。

解説をしていない回に、目が合った子がいた。始まる前の紙芝居を聞いてるとき、ドームに入る前、投影の前と何度も。なぜかまっすぐな信頼を寄せてくれるはにかんだ目。
ドームの中では真理子さんの操作を後ろで見ていたから、その子の近くにはいられなかった。
でも、出てきたあと「どうだった?」と聞くと、一言答えてハグをしてくれた。
なんと言ってくれたかは正確に覚えてない。声を聞いたのもその一回だけ。
それでも十分だと思えるほど満ち足りた交流がその子との間にはあった。

当たり前だけど、プラネタリウムの解説ができるからって偉いわけじゃない。心を通わせる方法、その選択肢が一つ増えたと言うこと。もちろん、自分がプラネタリウムを届けられるようになった!という達成感はある。
けれど、わたしは
あの帯広の場にいられたこと
村の活動に関われたこと
その事を何よりも嬉しく誇りに思う。

わたしはまだこどもたちの夢を見る。
あのこどもたちは今日どんな夢を見るだろう。