暑い暑い、毎日のように猛暑日が続きます。夕立が続いた日暮れ時、今日は晴れて、サン・メドウズの星空観察会は満天の星。1,900 mのテラスから眺める星は最高の2乗くらい素敵でした。もう立秋、確かに朝4:00でも星が見えます。確実に秋は近づいています。

・星てらす 千九百の 別世界
・梅雨明けて 足下に望む 観測所
・アルビレオ 賢治の宇宙(そら)は 今ここに
・梅雨明けの 宇宙(そら)満天の 星の海
・天の川 切り裂く星は ぺルセ群

青りんご

今号の目次
1.時季の星空
2.星つむぎの村 イベント情報
3.寄稿 「東北に星を届け隊2016夏」
4.最近見つけた面白い本

 

1.時季の星空
長い梅雨もようやく明け、いよいよ夏本番です。ベガ、アルタイル、デネブが空高く大きな「夏の大三角」を形作っています。それに加えて、南西の空には、火星、土星、アンタレスが力強く輝き、こちらにも、もう1つの三角を描くことができます。
夏の大三角のベガとアルタイルは、織姫星と彦星です。旧暦の7月7日にちなんだ「伝統的七夕」の日は、今年は8月9日。織姫さんと彦星さんにお願い事をしてみてはいかがでしょうか。
この時期、七夕に加え、お願い事をするチャンスが、さらにやってきます。それは、「ペルセウス座流星群」です。たくさんの流れ星が流れる流星群だったら、願いが叶う確率もあがるかもしれませんね。ペルセウス座流星群は、8月12日から13日にかけての夜がピークです。もっとも多く流れる「極大時刻」は、12日の午後9時ごろの予想ですが、この時間帯は月明かりがあり、見えにくくなってしまいます。また、流れ星が流れ出てくるようにみえる「放射点」も、この時間帯ではまだ低いので目にできる数はあまり多くありません。月が沈み放射点が高くなる12日深夜から13日未明が一番の見頃です。街明かりが少なく、空の条件が良いところでは、その時間帯、1時間あたり30~50個ほどの流れ星が見えると予測されています。できるだけ街明かりが少なく視界が開けたところで、空全体を見渡していると、より多くの流れ星を見つけることができます。月や建物の明るい光が目に入らないように見るのもポイントです。山や高原では寒さに、そして虫さされや車にも注意しながら、夏の夜空を楽しみましょう。
(文責:小林さやか)

 

2.星つむぎの村 イベント情報

<<星空縁日!>>
夏の間、「星の郷」にて、「星空縁日」を開催します。ぜひ涼しい八ヶ岳へ、そして、星空を体験しにいらしてください。もしいらっしゃったときには、ぜひ「村民です」とお声掛けください。村民限定プレゼントします!
今後の期日:8月9日(火)、10日(水)、15日(月)、17日(水)、27日(土)
時間:18:00~21:00
場所:ネオオリエンタルリゾート八ヶ岳内 セミナーハウス「星の郷ミュージアム」
http://yatsugatake.izumigo.co.jp/
セミナーハウスの場所はここをご覧ください
http://yatsugatake.izumigo.co.jp/public/map.html
内容:
★ステラムービー「天の川の向こうに―いのちのリレーを見つめて」(20分)
(監督: 小野敬示  音楽: サガノユウキ)
星つむぎの村メンバーによるオリジナルの心温まる物語。一緒に宇宙旅行にでかけましょう。
上映時間: 18:00~、18:30~、19:00~、19:30~

★★8月17日限定 サガノユウキ スペシャルライブ!!
音楽を担当したサガノさんのライブを行います。 当日は、18:30~、と19:30~がライブになります。素敵な星の歌を生で体感してください。
https://www.facebook.com/events/273720776331402/

★プラネタリウム投影
星の郷に本格的なドームができました! その日の夜の星空のお話をお楽しみください。
投影時間: 18:20~、 19:20~ (およそ30分間、定員20名 先着順)
★ワークショップいろいろ
地球ゴマ、星のなる木ランプ、組み立て望遠鏡づくりなどを行います。
★★8月27日限定 フェイスペインティングがあります! とてもかわいいフェイスペインティング、体験してみてください。(前回9日限定としてしまいましたが、27日に変更になりました)

★星空観望会 20:00~(曇天、雨天時は、室内イベントの時間をのばします)
八ヶ岳の星空をぜひ堪能してください。
8月9日は月齢7。月のクレーターを見るのに最適。木星はそろそろ厳しくなりますが、火星、土星は見えます。11日は月齢9。15日、17日もまた月が大きくなります。27日は月はないので、晴れれば天の川です。
★星グッズいろいろ販売
宇宙イメージペンダント、希望の星空カード(ハガキ)、惑星缶バッチ、星のなる木絵画などなど。

<<星空コンサート・星につつまれて>>
星つむぎの村と、「おととわ」さん共催で、子育て中のお母さんに安らぎの時間を、という目的でコンサートを行います。
8月29日(月) 韮崎市民交流センターニコリ 10:30~12:00
出演: 高橋真理子(宙先案内人)、太田美保(ピアニスト)
https://www.facebook.com/events/614560172055365/

3.寄稿 「被災地支援プロジェクト・東北に星を届け隊2016夏」

「星つむぎの村」の被災地支援プロジェクトとしては初の東北訪問となる「東北に星を届け隊」。7月30日~31日の2日間で、4か所を訪問してきました。「星の語り部」としての被災地支援活動から数えると、9回目となります。パルシステム東京の震災復興支援基金からの助成金をいただいての実施です。

今回訪れたのは、大船渡市・陸前高田市・気仙沼市・南三陸町。それぞれ地域の施設や仮設住宅の集会所などで、移動プラネタリウムの投影(計10回)や星の工作ワークショップ(星座カード・アルマモビール・星のストラップ・地球ゴマ・星座早見盤)を中心としたイベントを開催しました。気仙沼の復興商店街では、天体望遠鏡を並べて土星・火星・アルビレオなどの観望をしました。どの会場にも、家族連れを中心にたくさんの方に来ていただき、一緒に星空を楽しむ時間を共有できたと思います。

大船渡では、BRT(バス高速輸送システム)の駅の近くに大きなホテルが新築されていたり、スーパーマーケットやホームセンターがオープンしたりしていました。陸前高田では、かさ上げ工事のために設置されていた長大なベルトコンベアが解体されていました。震災を乗り越えて新しい街をつくるという目に見える形での復興は、確かに進んでいるように見えました。それ以上に、各地で触れ合った子どもたちが落ち着きを取り戻していることに安心をしました。一時期、ストレスを抱えた大人の姿を反映するように、落ち着きを失っていた子どもたちの姿に心を痛めていたのですが、ようやく子どもたちも心安らぐ日々を送ることができるようになったのでしょう。

一方で、5年間住み慣れた仮設住宅団地を離れて災害公営住宅に移ったり、高台移転をしたりと、震災後にできてきたコミュニティが分解してしまうという問題を各地で耳にしました。新たなコミュニティの形成が、各被災地の共通の課題となってきています。

そんな中で、しなやかに人々をつむいでゆく、星の輝きにはその力があると信じて、これからも被災地支援の活動をつづけていきたいと考えています。
(文責:跡部浩一)

※写真など詳しい報告は、星つむぎの村フェイスブックページをご覧ください。
https://www.facebook.com/hoshitsumuginomur

 

 

4.最近見つけた面白い本
「ダークマターと恐竜絶滅」 リサ・ランドール 著 向山信治 監訳 塩原通緒 訳
NHK出版 ’16.3.25 第1刷 発行 \2,900円
著者は、ハーバード大学、プリンストン大学、マサチューセッツ工科大学の終身在職権を持つ物理学教授です。「ワープする宇宙」でも有名です。宇宙の年齢が138億歳と詳しくなるにつれ、宇宙の加速膨張、ダークマターが取りざたされるようになりました。恐竜絶滅とダークマターが関係ある、とは今まで誰も言ってこなかったことです。全く新しい観点から宇宙の歴史を見るのにとても面白いと思います。理論物理の本なのに数式が一行も出てきません。訳もとても分かりやすく、この方面に興味ある方におすすめです。

「長沼 毅の 世界は理科でできている 宇宙」長沼 毅 著 ’14.3.25 第1刷 発行
(株)ほるぷ出版 \2,800 円
著者は、筑波大学を出て、現在は広島大学で准教授の生物学者です。40ページしかない薄い図鑑のようでいて、これがなかなか中身が濃い。我々の住んでいる地球から月、太陽、宇宙まで最新の研究成果を盛り込み、古代から人々が宇宙とどのように接してきたかから、約138億年前に宇宙が始まったこと、ISSの実験施設で活躍する若田さんまで簡潔に分かりやすく書いています。小学校4,5,6年生の教科書との関連も述べてあり、美しい写真が満載です。楽しみながらもの知りになる良い本です。
(文責:青りんご)

 

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