雪が降っていた厳しい冬もようやく峠を越えたらしく、最近は昼暖かく、雨も降るようになりました。
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18日は二十四節気の雨水です。
雪氷が解け、降る雪も雨に変わる季節を先人はこのように表現しました。
太陽の黄経は330°です。
ただ、一つ気になることがあります。カマキリは、その年の雪の量を予知するらしく、凍らないように地面から高いところに巣をつくるということを聞いたことがあります。
たまたま庭にカマキリの巣を見つけました。
地面からの高さは85cmあります。
このまま雪がないまま春を迎えるか、ドカ雪が降るのか気がかりです。

蟷螂の 卵が示す 雪の量
(文責:青りんご)


今号の目次——————————-

【今号の1枚!】
【時季の星空】
【星つむぎの村イベント情報】
【星関連イベント情報】
【寄稿「昼間の星を見よう~最大光度を迎えた金星」】
【どんな人なの?プロジェクト村民~その4~】

 


 


【今号の1枚!】

前号に引き続き、山梨県富士河口湖町にある富士五湖の一つ、精進湖から富士山と共に映した星空写真です。
今号の【時季の星空】で紹介しているおおいぬ座の一等星シリウスが美しく輝いています。
写真の中心で、おおいぬが空をかけのぼり、それを富士山が「夜空を思う存分散歩して来いよ!」とでも言うように見守っています。
撮影者は星つむぎの村プロジェクト村民のマエゴロウさんです。
(文責・植村あゆみ)

本通信で写真を見ることができていない方がいらっしゃるようです。申し訳ありません。
お手数ですが、星つむぎの村HPからログインしていただき、村民メニューの「グループ」から
「星つむぎの村通信」に入って、バックナンバーをご覧いただければと思います。

 


 


【時季の星空】

青白く明るく輝くシリウスは、月や惑星を除き、地球上から見る夜空で最も明るく見える星です。
この明るさは、シリウス自体の明るさだけではなく、地球との距離とも関係しています。
シリウスは太陽を除いて、リギル・ケンタウルスの次に地球に近い恒星です。
シリウスは星座ができるよりも昔から、「犬の星」と呼ばれてきました。
この周りの星をつないでいくと「おおいぬ座」になります。
おおいぬ座は、ギリシャ神話では、「狙った獲物は決して逃さない伝説の犬ライラプス」の姿だと言われています。
ある村で、作物を荒らしまわっているキツネがいました。
ライラプスは、このキツネを捕まえるために追いかけますが、実はこのキツネは、「誰も捕まえることのできない特別なキツネ」だったのです。
ライラプスが追いついて捕まえることも、キツネが逃げ切ることもできずに、この追いかけっこは永遠に続くかと思われました。
天からこの様子を見ていた大神ゼウスは、見るに見かねて2匹を石に変えてしまいました。
村人のためにキツネを追ったライラプスは、後に星座として夜空に上げられたということです。
この神話では良いことをした犬の星シリウスですが、不吉な星とも扱われ、必ずしも良いイメージの星というわけではありませんでした。
古代ローマや昔のヨーロッパでは、7月初めから8月中旬に、シリウスが太陽と並んで輝く時期を「ザ・ドッグ・デイ」と呼び、厄払いをする日がありました。
暑い夏になるのは、太陽とシリウスが並んで昼の空に出ているせいだと考えたのです。
星の光は、遥か遠くからやってきます。
地球に近いシリウスの光でさえ約8.6年前の光。
シリウスとともに冬の大三角を形作る星プロキオンは約11.4年前、ベテルギウスは約640年前の光です。
さまざまな過去の光を、見上げた空で同時に受け取ることができるとは、なんとも不思議な気持ちがします。
この時期、普段よりも明るくなる「くじら座」の変光星ミラにも注目です。??? (文責・小林さやか)

 


 


【星つむぎの村イベント情報】

いよいよ星つむぎの村合宿です。一応申し込みは締め切っていますが、こんな感じでやりますー、というのをお知らせいたします。

日時: 225日(土)1300226日(日)1400
場所: ネオオリエンタルリゾート八ヶ岳 セミナーハウス

http://yatsugatake.izumigo.co.jp/

スケジュール:
25
日(土)
11
00  会場準備
12
00~ 受付、チェックイン
13
00 全体会(含む、自己紹介タイム)
13
50 プレゼン
井村智弘さん「癒しの環境を考える病院がプラネタリウムについての一考察」
14
00 「星を介したコミュニケーションワークショップ」 金本麻理子さん&高橋真理子
17
00 休憩
17
30 スターオーシャン組 出発 ~2000 帰着
18
00 近場観望組出発 ~1900 帰着 温泉
20
00 夕食・交流会

26日(日)
7
00830 朝食 各部屋ごとに好きな時間でどうぞ
9
00 プレゼン&ワーク 上田壮一さん「コミュニケーションを生み出すプロダクトや場づくり―Think the earthの試みから」
10
00 ワークショップ
1.コミュニケーションを生み出す星ワーク  リーダー 植村あゆみ
お客さんに向けた星関連の工作などについてのワークショップ開発と実践。
2.コミュニケーションを生み出す星解説   リーダー 高橋真理子
プラネタリウム、星空案内をする際のノウハウを共有、ディスカッション。
もしかしたらもう一つ、企画ありかも。

1230 ランチ&振り返り、まとめ
14
00 終了

 


 


【星関連イベント情報】

「スターオーシャン八ヶ岳」に行っちゃおう!

星つむぎの村の皆さんこんにちは。今月25~26日の合宿で、スターオーシャン八ヶ岳への参加お誘いがありました。
星じいこと宮下が、ちょこっとその素晴らしい星空へのご案内をさせてもらいます。
「雪の天空テラス」、なかなかロマンティックな響きです。1900mの雪の天空テラスに満天の冬の星空・・・。
「スターオーシャン八ヶ岳」の舞台は、サンメドウズ清里スキー場。
評判どおり、そこは星空を見上げる人々に、大きな感動を与えてくれるようです。
私もその一人でした。
4人乗りリフトで寒さに身を縮ませながら約10分、眼下に遠く甲府盆地の夜景も見えます。
頂上駅に到着すると、ホットココアのおもてなし。
凍える身体にとても嬉しいですね。
皆さん、清里や野辺山の町の明かりを眼下に見ながら、雪の天空テラスをへと散らばっていきます。
いよいよカウントダウンです。
スキー場のオレンジ色のライトが一斉に消え、周囲は真っ暗闇、満天の星空が目に飛び込んできました。
あっちこっちから、ワー!とかオー!とかの驚きとも感嘆ともごちゃまぜの大きな歓声!
多くの人たちが、これほどの星空を見上げたことはないのでしょう。
星じいも、東西南北これほど大きく広がる星空にお目にかかったことはほとんどありません。
暫しその満天の星空に見とれました。
同じ時間、同じ場所でその感動をみんなが共有している、その一体感、不思議な感動ですね。
いよいよ星空観察の始まりです。渡されたグランドシートを広げ、雪上に寝転びながら星空を眺めるのもここならではの醍醐味でしょう。
メインエベントは、天頂に輝く冬の大三角と冬のダイヤモンド。
それを見つける目印は、オリオン座、そこからぐるっと頭上を取り巻く明るい星たちを結ぶと大きな大きなダイヤモンドが出来上がります、とガイドの軽やかな声・・・。
こうして満天の星空を見上げてあっと言う間のひと時、暫し現実を忘れ、星空の世界を存分に楽しむことができました。
老若男女のカップルも沢山、きっとルンルン気分のホットな時間を過ごせたのではないでしょうか。
加えて、天空テラスに上る前のワークショップなども楽しみですよ。
特に皆さん、地球ゴマを作ってそれを回転させたときの目の輝き、ミニ天体の姿に感動しきりという感じです。
また、大切な人へのほしてがみ(天空テラスのポストで投函)や、星座早見盤のプレゼント(使い方、見方の説明あり)があります。
そして、星空へ誘う10分ほどの天空ソフトを見て、いざ天空テラスへと出発と言う流れです。
最後に、こんな八ヶ岳の素晴らしい星空も、悪天候と言うお邪魔虫がいたら大変です。
25日には満天の星空が広がることみんなで願いましょう。星じいも再度天空テラスの感動を皆さんと共有したいと思っています。
ぜひ、星つむぎの村の皆さん、スターオーシャン八ヶ岳を体感してください。
詳細は、
https://tenkuhaku.com/starocean/?? にあります。     ? (文責 星じいこと宮下)

 


 


【寄稿】

「昼間の星を見よう~最大光度を迎えた金星」

金子 みすゞさんと言えば、「こだまでしょうか」や「わたしと小鳥と鈴と」などの詩が有名です。
どの作品にも、小さきものや弱きものの命に寄り添おうとする温かな目線を感じることができます。
彼女の作品の中に、『星とたんぽぽ』という詩があります。

青いお空のそこふかく、 海の小石のそのように 夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。

ちってすがれたたんぽぽの、かわらのすきに、だァまって、春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。

この詩にあるように、昼間の青空には太陽かせいぜい月しか肉眼では見ることができず、ほかの星たちは見えません。
でも、金星だけは例外。真っ昼間の青空の中でも肉眼で見ることができるのです。
太陽、月の次に地球から明るく見える天体が金星です。
特に、内合(地球金星太陽という順で並ぶ地点)前後の地球に近づいているときには、その明るさが大きくなります。
このもっとも明るくなった明るさを金星の最大光度と言います。
今回は昨日(217日)が最大光度を迎えた日でした。
その明るさは、マイナス4.6等。1等星の170倍もの明るさがあります。
この最大光度の前後では、青空の中でも金星が見えるのです。
夜の星のようにキラキラとは輝かずに白い砂粒のように見えます。
少し慣れが必要ですが、おおよその位置がわかっていると見つけることができます。
特に見やすいのは月が近くにあるとき。
月が目印になるのと、月を見ることで目のピントが無限大に合わせられるからです。
このあと金星は内合に向けてだんだんと暗くなってしまいますが、夕方の月が近くに来る3月初めまではマイナス4等級の明るさがあるので、ぜひ青空の中の

金星探しに挑戦してみてください。
見えないことはないことではなく、見えないものにこそ大切ななにかがあるのかもしれませんね。

昼間の金星の写真をご覧ください。

(文責 跡部浩一)
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【どんな人なの?プロジェクト村民~その4~】
星つむぎの村のことをもっと知ってもらおう!と始まったこの企画、4人目は本通信の【時季の星空】にて星空案内をしている小林さやかさんです。

小林さやか
東京都町田市出身、山梨県甲斐市在住。星つむぎの村の前身、星の語り部で知り合った人と結婚し山梨に移り住みました。
好きなものは、空と石と恐竜とお菓子です。でも、詳しくはありません。ぼーっと思い浮かべながらお菓子を食べている感じです。
今は、空を突き抜けて宇宙も見るようになって、少しは視野が広がったのかな??と思います。
星つむぎの村は、人と人とのゆるやかなつながりが魅力だと思います。人見知りの私も、大きな懐で受け入れてもらえる感じがします。
星つむぎの村では、通信の「時季の星空」を担当しています。「病院がプラネタリウム」で時々投影もしています。
山梨県立科学館在籍中には、ユニバーサルデザインのプラネタリウム番組を手がけました。
「全ての人によい」ということは簡単なことではありませんが、ユニバーサルデザインは、今後も探求していきたいテーマです。


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みなさまからの情報、寄稿、ご意見も、お待ちしています!!

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