10月5日(土)、『多機能型事業所にじいろ』さんにお声掛けいただき、神奈川県厚木市の戸室小学校にて、7mドームでのプラネタリウムとワークショップを行ってきました。10月とは思えない暑い一日となりましたが、さわやかな秋空と体育館を通り抜ける気持ちよい風に迎えられて、楽しく過ごさせていただきました。
 にじいろを利用している医療的ケアの必要なお友達に加え、地域のみなさんも一緒にみんなでプラネタリウムを楽しもうということで、小学4年生を中心とした小学生のお友達も、そして校長先生も、たくさんのボランティアの方も一緒に参加してくださいました。
 星つむぎの村のスタッフは、高橋、跡部、黒井、岡本、植村でした。植村と黒井がレポートします。

<植村レポート>
 7mのドームでのプラネタリウムは計4回、みなさんぐるっと寝転がるのにちょうどいい人数で、ストレッチャーのお友達も一緒に、まあるいドームの中で空を見上げ、お誕生日星座や宇宙旅行を楽しみました。毎回色んな歓声があがって、とっても盛り上がっていました。
 出てきた小学生の男の子に、校長先生が「どうだった?」と聞くと、「すごいもの見た。」と言ってくれました。シャイな雰囲気の彼は、私たちの方を見ずに、でもちゃんと答えてくれました。ありがとう!!

 ストレッチャーの男の子の兄弟児さんの女の子、プラネタリウムの前に時間があったので、「星座カード作る??一緒にやらない??」と声をかけてましたが、ちょっと硬い表情で、お父さんの横にぴったりくっついて「いいです。」と動きませんでした。一緒の回にプラネタリウムに入らせてもらいましたが、地球から宇宙に飛び出す時、「振り落とされないように、お隣さんにくっつくのもいいかもしれませんね♪」と真理子さんがお話した時には、お父さんに手を伸ばして、しっかり腕を握り直していました。
 その彼女が、ドームから出てきた時にはとても表情が柔らかくなって、「星座カードをつくってもいいですか?」と自分から声を掛けてくれました。家族の分もいいよ~、と言うと、みんなの分4枚作ってくれました。とっても嬉しかったです。

 ワークでは、いつも人気の地球ごまと星座カードに加え、開発中(開発というほどでもないですが)の写真フレーム作りも20個限定のお試しでやらせていただきました。

地球ごまと星座カードはにじいろさんのボランティアスタッフさんにもお手伝いいただき、個性あふれるカードがたくさんできあがっていました。
  写真フレームも、私が用意していった材料を、想定外のところに貼ったり、つるしたりと、こどもたちの発想はとっても豊か!すばらしいフレームがたくさんできあがりました。帰って自分や家族の写真を飾ってくれているかなあ?小学校の先生も来てくださって一緒に作っていただいたのですが、子どもたちから「○年○組のみんなで撮った写真を入れたらいいじゃん!」「そうだね!」とお話されていました。月曜日教室に飾られてるのかなあ(期待!)♪また改良して、たくさんの方に楽しんでいただけるように準備していきたいと思います。

<黒井レポート>
 お呼びいただいた、にじいろの兼子さんは、 2018年の神奈川県理学療法フェスタで星つむぎの村共同代表高橋真理子の講演で、出会いました。
感銘を受けその後、職場の仲間を引き連れ都内で行った病院がプラネタリウムを見学。 兼子さんは星つむぎの村人になってくださいました!
今回のプラネタリウム企画のため、 職場での話し合いを繰り返し、地域の普通小学校の体育館をかりての実施してくださいました。
ボランティアさんがたくさんいらっしゃるので、どこにいても、温かく見守る大人がいる安心な空間を作ることが出来ました。
「よく来てくださいました」 「よくお呼びいただきました」 そんな気持ちが交差します。
 許可してくださった、 にじいろ施設長様、戸室小学校校長先生は7メートルのドームを見るのもプラネタリウムも初めてだったと思いますが、ニコニコ一日中見守ってくださいました。
 きっとたくさんのエピソードがあるんだと思うのですが、印象に残っている3回目の投影のことです。 会場内を走り回るお子様がいました。
「何しているの!走らないで、こっちよ!」 と、お母様の声が聞こえていました。 狭くて暗いドームの事前の説明では、
「声が出ても大丈夫、笑っても泣いても大丈夫。心で感じることを大切にしてね。出たくなったら、途中で出ても大丈夫」とお話ししました。
でも、その子はやっぱり初めての暗いドームの中へ入るのは勇気が必要でした。 ドームの中でじっとしていることも大変だったね。
私はお母様が途中で「やっぱり出ます。」って、言ってもいいように、 側で見守っていました。 そわそわドキドキ
お母さんが抱っこして寝転ばせれば、すり抜けて起き上がりを何度も繰り返し、お母さんが一人でごろんと横になれば、「こっちよー」と叫ぶ。
その間一緒に観ている皆様が、 「お母さん大丈夫だからね…。」 と思ってて下さるのも伝わります。
 真理子さんの解説がすすみ、いよいよ地球が出てきた時、彼は初めて星を見上げました。 火星が出てきたとには、落ちて来そうな火星を「よいしょー」
とみんなで投げあげました。 宇宙の果てに行った時は、お母さんと二人で仲良く寝転んで宇宙を見上げていました。 地球への帰還の時は
お子様の力も、お母様の力も抜けていました。 お子様がお母様をなでなでしているのが分かりました。 その瞬間嬉しくて思わず涙…。
ドームを出るときはもうすでにニコニコでした。 「よく見てたね。がんばったね。偉かった!!」お子様とはハイタッチ!!
やったね!!かっこよかった!とお子様をほめることが出来て最高に嬉しかったです。お母様とはハグもしちゃいました。
思わず体が動いてしまうお子様も、なかなか一般のプラネタリウムでは、迷惑かけちゃうかな…。の思いが先にきてしまい、なかなか出掛けるところも限られてしまうはずです。
 今回の、「これでよかったんだ!」という成功体験はきっとお子様の自信にもつながる事でしょう。お母様にお聞きしたところ、にじいろの利用者様ではなく、違う事業所の地域のお母様でした。
様々な方をお招き出来たこと、一緒に星を見上げられて、私が幸せをいただいてしまいました。 にじいろの施設長様が
 「ドームから出てくるこどもたちのあんな笑顔をみたら、是非またやらなくちゃ!って思う。」と言ってくださいました。
 今回行事と重なり参加出来なかった お子様にも是非是非星を届けたくなりました。 また星を一緒に見上げましょうね。