10月6日(日)、NPO法人こどものちからが主催してくださったプラネタリウムの会が、国立がん研究センター中央病院のレストランで行われました。こどものちからさんが、この病院で入院している子どもたちや兄弟、ご家族、また、親御さんが入院している子どもたちなどを対象に、キリン財団さんからの助成をいただいて実施してくださいました。

 星つむぎの村のスタッフは、高橋、跡部、黒井、大和(淳)、叶でした。こどものちからさんからは、なんと30名以上のボランティアさんがきてくださっていました。それぞれが、みんな役割をもって、今日の主役たちを歓迎し、楽しい時間を持てるようにと笑顔あふれる空間でした。

 プラネタリウムの投影は、3回。(事前にボランティアさん向けにショートバージョン1回)。 それ以外に、ワークショップを、地球ごま、星座カード、ポップアップカードのプラネタリウム、希望の星空カード、とフルメニュー。今回のレポートは、黒井と大和です。 長いです・・

<黒井レポート>

プラネタリウムが開場となり、一番始めに来てくれた赤いシャツの男の子とお父さんが来てくださいました。でも、何か急に病室へ戻ってしまったので、何かあったのかなと思っていました。1回目、2回目…と過ぎても、いらしてなかった。 そして、ようやく最終回に来てくださった!! 私はドームに入る前の説明をしました。 「プラネタリウムを見て、色んな事を感じてください。 ビックリしたら「わぁ!!」って声を出してもいいです。笑ったり、涙が出ちゃうかもしれない。 それでもいいんです。 大人も泣いちゃっても大丈夫です。暗いから見えません(笑)」 何気なく話した。 一緒に前に立っていた真理子さんは この話を涙ぐみながら聞いているお母さんがいるなと、思ったそうだ。 プラネタリウム終了後 みんな…。 みんな…。息を飲んだ…。 実は赤いシャツの男の子の お父さんが下の階の病室で今日息を引き取ったそうだ。 お父さんとお母さんと思っていた方はおじ様おば様で、 赤いシャツの息子さんを連れ出してくれていた。「お父さんは輝く星になったんだよ」 おば様はそう説明しようと思っていた。でも、プラネタリウムを見ながら、真理子さんがぜんぶ語ってくれた、と。 プラネタリウムが終わったとき、おば様が真理子さんに話してくださったと…。 こんなことが起こるのか…。 衝撃が走りました。

ここは国立ガンセンター 大人もこどももみんな治療をしています。 こども病院のように、 こどもが治療をしているだけなく、 お母さんが治療していたり、 お父さんが治療していたりするんです。 だから、家族の事を心配する こどもから大人がいました。

 「死が誕生して生命の進化が始まった…。」 これは私が真理子さんのプラネタリウムで聞いた中で、もっとも衝撃を受けた言葉です。 「死」に意味があること…。 人だけでなく星さえも、なくなる事があることを知り、星を見て命を想うことが私の支えになっています。 でも、分かっていても、やはり、大切な家族がいなくなってしまうのは 例えようのない悲しみがあります。

でも、 星と星の暗闇のその先にあの宇宙があるのなら 見えないけどずっと一緒にいる。 そんな事も星は教えてくれています。 私たちがここにいる事はとてつもない事で、何もしないように思えても、いてくれるだけで かけがえのない命を輝かせている。 ましてや偶然こうやって 出会えた人、物、自然…。 これがどれだけの奇跡なのかと…。

赤いシャツの男の子がみんなで星を見上げて、何かを受け取ってくれていたらいいなと祈ります。 それをいつか…。 男の子が語ってくれることがあったら、それはきっと、お父様からのメッセージなのかもしれません。 「こどものちから」を運営する井上さんに この話をしたとき、目を真っ赤にして祈るように 「大切な人を心の真ん中に置いて生きていけますように」 と仰りました。 祈りのような言葉でした。

今日は、ワークショップで、大事なお母さんに希望の星空カードを制作してふだんはなかなか直接言えないお母さんへのメッセージを残してくれたきょうだい児のお嬢様もいました。 こどもの力のボランティアさんの中にも、ご自身の体験からボランティアをしている学生さんもいました。 涙している方をボランティアさんが傾聴している姿を見ました。 患者のお母様が、星を見上ならがら お父さんに抱っこされているお子様の手をつないでいる姿を見ました。 みんなこの地球で生きています。 また星を見上げましょうね。

<大和レポート>

病院がプラネタリウムは、いつもは夫婦2人で参加することが多いのですが、今回はパートナーの紀子さんは「がんの子どもを守る会」の全国支部会議に参加するため亀戸のペアレンツハウスでしたので、大和淳と里子ちゃんで参加してきました。

この病院は、2年前にお星さまになった「ひなた」が1歳から2歳半まで毎月治療のために通っていた病院です。「こどものちから」さんは、小児病棟入口前にある小児待合室で週2〜3回、患児やきょうだいさんと一緒に遊ぶ活動を長年しています。ひたなもたくさん遊んでもらいました。また、同じ病気(網膜芽細胞腫)を持つ親の会(すくすく)が毎年夏にがんセンター中央病院で開催している勉強会では「こどものちから」さんに保育を頼んでいたため、その時にもたくさん遊んでもらいました。もちろん、代表の井上さんとも一緒に遊んだことがあります。

今回の病院がプラネタリウムでは「こどものちから」さんから30名以上のボランティアさんが参加してくださったのですが、2016年の勉強会の時に保育でひなたを担当してくださった方もいらしゃいました!!ひなたのことを覚えてくださっていて、本当に嬉しかったです。

懐かしい場所で、井上さんをはじめ、ひなたを直接知っている方たちがいらっしゃる中での病院がプラネタリウムは不思議な感じでした。いつも以上にひなたと一緒にやっている感じがしました。

投影3回の内、2回目に私もドームの中に入りました。入院中の患児さんとパパさん、ママさん、きょうだいさんの4人家族のお隣だったのですが、患児さんは最初はお母さんの膝の上で寝転んでいたのですが、少しでも星空に近づきたいと思ったのかのように、途中から起き上がって星空を見上げているのが印象的でした。

会場では星つむぎの村のワークショップやこどものちからさんのワークショップなど盛り沢山で、子どもたちの笑い声がずっとしている、とても温かい場となっていました。

パートナーの紀子さんも会議終了後に合流、プラネは終了していましたが、その後の振り返り会には参加でき、井上さんやみなさんとお話することもできました。ちなみに8ヶ月の里子ちゃんは専任のボラさんにずっと抱っこしてもらいご機嫌でした。

こどものちからさん、ありがとうございました。ひなたもきっと喜んでいると思います。